ローマの休日

「今日は、今までで一番最高の踊りを」

「４年間の夢だった、オナーダンスを踊ろう」

そう思って試合に臨んだ。

とにかく気合をいれた。



ラテン人の子が、

１人１人の名前と背番号を書いたものを作ってきてくれた。

あぁ、頑張らなくちゃって、パワーをもらった。



なのに、

予選落ちした。



悔しかった。

４年間積み上げてきたダンスがあっけなく終わってしまって、

淋しかった。



でも、今までで、一番楽しく、幸せに踊れた。

それは確かだ。

だったら、それでいい。

そりゃ思いだしたらまだ涙が出てくるけどね笑



自分のダンスがすべて終わった時、

応援に来てくれた看護の友達の前で、初めて泣いた。

友達も一緒に泣いてくれた。



阪大席に帰って、先輩や同回の前で泣いた。

お疲れ様、頑張ったね、って言って、ぎゅっと抱きしめてくれた。



更衣室で、後輩に「４回の女の先輩の中で、アンさんのダンスが一番好きです！」

って言われて泣いた。

嬉しかった。



準決行進するみんなに会って、

「頑張ってほしい」って気持ちでいっぱいになった。



スーツに着替えて、準決勝戦を見た。

自分の成績なんて、どうでもよくなった。

あれ、私さっきまで悔しい気持ちでいっぱいだったのに、

今、こんなにも笑顔で応援している。

みんなが楽しそうに踊ってるのをみて、見ている私も楽しくなってきた。



がんばれ

がんばれ

がんばれ



少しでもみんなのダンスを長く見ていられるのが嬉しかった。

同回が決勝に進んだことを、自分のことのように喜べる自分がいた。

そんな仲間を持てて、私は幸せだ。



やっぱり秋関は感動する試合だぁね。



隣にリーダーがいて、

一緒に頑張ってきた仲間、ライバルがいて、

応援してくれる友達や後輩、同回、先輩がいて、

そんなすべての人たちに感謝の気持ちが沸いてきた。



４回生の最後になって、ようやく、

１つ１つのダンスを大切に踊ること、

色んな人に支えられてここまできたことに気付いた。



４年間、続けてきて良かった。



ありがとうございました。



まだ冬全がある。

本当に最後のダンス。

ラストワルツ。

踊りきります。

１つ１つの足型を大切にして、

すべての人に感謝して、

音楽を体で表現して、

人を楽しませるダンスを。