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認知症の方へのケア

在宅ケア概論で学んだこと。

「あぁ、なるほど」と思ったから、フィードバックしてみる。



認知症の中核症状は

体験そのものをすっぽり忘れてしまう

ということ。

例えば、誰かから電話がかかってきたことを忘れる。

誰からかかってきたか、ではなく、電話がかかってきたこと自体を忘れるのだ。



大抵の認知症の方は

年齢を聞くと、実際の年齢よりも若く答える人が多い。

それはなぜか?

80歳の女性が、「私は40歳よ。」と、答えたとしよう。

彼女は40歳以降の記憶そのものを、さっぱり忘れてしまっているのだ。



そうすると、すべての出来事につじつまがあう。



1.鏡の前の自分に話しかける

 自分は40歳なわけだから

 鏡にうつっている自分は、どこからともなく現れた年老いたおばあさん。

 いきなり家に、老婆が現れたら、誰でも恐くて「出ていけ!!」って言うでしょ?

 まぁ鏡にその老婆も、同じように「出ていけ!!」って言うから

 一向に話が進まないでしょうね(笑)



2.自分のうんちを丸めたり、壁になすりつけたりする

 彼女が40歳の頃は、水洗便所がなかった時代。(つまり、ぼっとん便所)

 だから彼女は、自分の排泄物がまだ目の前に残っているのが恥ずかしいのだ。

 どこかに隠そうと、丸めて自分の服にいれたり、

 とりあえず壁になすりつけてトイレからうんちを消そうとしているのだろう。



3.家の近所でも道に迷う
  
 自分が40歳の頃の風景と今の風景が、様変わりしすぎていて、

 初めての道のように感じるのだ。

 見知らぬ土地に一人で放り出されたら、みんな迷う。



4.自分の子どもを見て「あなた誰?」「私の子どもは、もっと小さいのよ」と言う

 彼女が40歳なら、彼女の子どもはまだ10歳くらい。

 突然現れた中年が、「何言ってんの!私はあなたの子よ。」と言っても、

 昨日まで子どもだった人が いきなり40歳も老けるなんて話、信じられるわけがない。



こんな具合に、認知症の方は、本当に何も分からなくなったわけではないのだ。

ただ、今の状況がつかめないだけ。

今の環境、時代に適応できないだけ。

でも心は、ちゃーんとその人の倫理で動いているんだ。



だから、うんちを壁になすりつけるのも、ご飯を食べたのにまだ食べてないって言うのも、

なにも家族の人を困らせようとして言っているわけではない。

嘘をついてるわけでもない。



そういう方をケアするにあたって、相手の気持ちを推し量ることがとても大切だと感じた。



でも家族の人には「否定しないで」「怒らないであげて」なんて言葉、そう簡単には言えない。

だって家は生活する場所であって、介護をするのに適した場所ではないから。

介護家族は、好きで介護しているわけではなく、

家族の誰かが介護支援を必要とするから、やむを得ずに介護をする状況にあるのだ。

「あと1時間で終わる。これが終わったらジュース飲も。」なんて期限があるわけじゃなく、

24時間、際限なく介護し続けなければならない。

その負担やストレス、疲れは、他人になんぞ分からないだろう。



だからこそ、将来専門職として、認知症の方をケアしていくプロの人が、

そういうケアをすればいい。

そして、患者の家族へのサポートも決して忘れてはならないのだ。
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プロフィール

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考える力がほしい。本気になれる力がほしい。感性豊かな人になりたい。すべてを包容できる人になりたい。思うばかりでは、叶わない。そんな人間。