人体の不思議
ホルマリン浸けにされた十何体かの遺体が
そこには横たわっていた。
今日、私たち看護学科3回生は
医学科生によって解剖された臓器やらを手にとり観察した。
いやーなホルマリンの匂いと生々しいヒトのカラダ。
胸が気持ち悪くなった。
でもこんな機会は滅多にない。
だから、気持ち悪さを我慢して
1つ1つを細かく観察していくことにした。
ヒトによって、疾患によって、臓器の大きさや色は様々だった。
腸の内側には本当に柔毛があった。
心臓の大きさはこぶし大。
心臓に通じている血管は、指4本分くらいの太さがある。
骨の内側は、衝撃を吸収するために柔らかくなっている。
肺もスポンジ機能を果たしているだけあって柔らかい。
すい臓や脾臓がどんなものか、確認できた。
胆嚢は緑色。
内臓の中では腸が一番長く、肝臓が一番大きい。
心臓の弁は3枚あった。
百聞は一見にしかず、とはこのコトを言うんだね。
いくら授業で聞いていても、いくら人体の不思議展で展示物を眺めても、
今日ほど分かりやすいものはなかった。
また、自分の体の中がこんな風になっているのだと分かり
良い意味でぞくぞくした。
人間のからだは、本当によくできている。
人間を構成している1つ1つの臓器や骨、筋肉などは
それぞれが、それぞれにしかできない機能を果たして、私たちを支えている。
私たち人間が、命令しているわけじゃないのに
私たちのために動いてくれる。
それって、凄い。
生き物は、まだまだ未知の領域だと実感させられた。
医療現場の最前線で働いている人たちは
こういうものと付き合っているんだ。
私は医療を甘くみていたかもしれない。
医療者が扱っているのは、教科書の中のヒトでも、模型でもない。
人間を扱っているのだ。
生半可な知識や技術で、医療行為は行えない。
ましてや2次元の知識なんて話にならない。
ホンモノのヒトに向き合えたこの授業、
とても刺激的だった。
最後に。
検体となってくれた方、ありがとうございます。
ご冥福をお祈り申し上げます。
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