ローマの休日

５月１５日木曜日の日経新聞



何気なく、パラパラと流し読みをしていた私の目にとまった

ある特集面。

それは先日起こった四川大地震のコトが載っていた。

私がソレに目を奪われたのは

記事が面白そうだったからでも

興味深い見出しだったからでもない。

もうすでに知っている情報に食らい付く気なんて起こらない。



ただ

私の心を動かしたのは

一面に大きく掲げられた、たった５枚の写真。

被災地の荒れ狂った現状が

そこには写っていた。



山崩れで巨大な岩石に押しつぶされた無残な街の姿。

崩壊した学校の前で子どもの安否を泣き叫びながら待つ親たち。

震源地の街に到着した救助隊員から手当てを受けるが、苦しそうな顔をしている少年。

自分の持つ一番大きなバケツを手に配給の水を待つ被災者たちの長蛇の列。

がれきと化した病院で延々と行われている、たくさんの消防隊員による救助活動。



鳥肌がたった。



写真は言葉をしゃべらない。

写真は動かない。



でも、

伝えるには

その１枚で十分だった。



すごい。

すごいすごいすごい！！

久しぶりにドキドキした。



次の日には捨てられているであろう新聞。

その１枚のために

カメラマンはシャッターを切る。

そのカメラマンが現場に行き、その目で見て、その耳で聞いて、

そして肌で感じたすべてが凝縮された１枚の写真。




私となんの関わりのないカメラマン。

絶対に会うことのないカメラマン。

でもあなたの写真が、確実に誰かの気持ちを揺さぶっているの。

ありがとう。



私も撮ってみよう。

まずは１日１枚。